映画スタッフに向けて、契約に関する様々なコンテンツを作成しました。本事業は文化庁委託事業として、文化庁が公表した「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン」に基づいて、有識者と共に制作しています。2024年秋以降、フリーランス新法が施行されます。発注者は、スタッフに業務委託をした場合、直ちに、業務内容、報酬額、支払期日その他の事項を、書面または電磁的方法で明示しなければ、フリーランス新法違反となってしまいます。
発注者と受注者に、正しい知識がなければ、内容の分からない書類に印鑑を押すだけになってしまい、正しい契約や交渉はできません。発注者・受注者ともに、契約交渉の際には本事業のコンテンツをぜひご活用ください!
契約書ひな型例
本契約書ひな型例は、映画制作に携わるスタッフのうち、制作会社等に雇用されないフリーランスと制作会社等の間で締結されることを想定したものです。業種を限定しないスタッフ業務全般を対象としています。基本的には、文化庁が2022年7月に公表した「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン(検討のまとめ)」の別添ひな型例に準拠した上で、一般社団法人日本映画制作適正化機構が公表している「映画制作の持続的な発展に向けた取引ガイドライン(映適取引ガイドライン)」や韓国映画界で使われている標準契約書等を参考とするほか、映画制作業界における慣行を反映させたものです。
ガイドブック
この冊子では、まずフリーランス新法について解説し、契約までのワークフローを確認します。そして文化庁ガイドラインの考え方に基づき、映画スタッフのために作成した「契約書ひな型例」を解説していきます。 また、映画スタッフ各業種における契約時のポイントや、映画ジャンル等による留意点を解説します。最後に日本以外の事例として、韓国とアメリカ各映画業界における契約面の取組をご紹介します。
オンライン講座
映画スタッフの契約事情〜韓国映画界の事例紹介〜
2024年1月に、韓国映画界の事例を紹介するオンライン講座を実施しました。この講座では、韓国の映画現場で使用されている「標準契約書」の日本語訳資料を紹介しながら、日韓で活躍する映画関係者を交え、日本映画界がどう変わっていけば良いか、意見を交わしました。
本事業では、韓国映画界の事例を参考にしています。韓国映画界では、多数の契約書ひな型が一般公開され、実際に撮影現場で使用されています。今回はその中から、以下4種類を翻訳しました。
日本と韓国では法律が違い、直接比較できない部分もありますが、日本映画界の環境改善に向け、具体的な施策を練る際の参考に活用ください。
映画労働標準契約書:スタッフ
DGK演出契約書:監督
映画出演契約書:俳優
映画上映標準契約書:上映配給
- 主催:文化庁(令和5年度「芸術家等実務研修会」)
- 事務局・企画・運営:一般社団法人Japanese Film Project
- 協力:(協)日本映画監督協会、(協)日本映画撮影監督協会、(協)日本映画・テレビ照明協会、(協)日本映画・テレビ録音協会、(協)日本映画・テレビ美術監督協会、(協)日本映画・テレビ編集協会、(協)日本映画・テレビスクリプター協会、(協)日本シナリオ作家協会、日本映画大学
- 監修:長澤哲也(弁護士・弁護士法人大江橋法律事務所 パートナー弁護士)
- 有識者:神林龍(労働経済学者 / 武蔵大学経済学部教授)
- イラスト:クラーク志織
- 全体デザイン:鈴木規子
- 韓国イベントデザイン:中野香