「映画に出演する俳優」に向けて、契約に関する様々なコンテンツを作成しました。本事業は文化庁委託事業として、文化庁が公表した「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン」に基づいて、有識者と共に制作しています。2024年11月から、フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が施行されます。発注者は、俳優に業務委託をした場合、直ちに、業務内容、報酬額、支払期日その他の事項を、書面または電磁的方法で明示しなければ、フリーランス新法違反となってしまいます。
発注者と受注者に、正しい知識がなければ、内容の分からない書類に印鑑を押すだけになってしまい、正しい契約や交渉はできません。発注者・受注者ともに、契約交渉の際には本事業のコンテンツをぜひご活用ください!
契約書ひな型例
本ひな型例は、映画に出演する俳優のうち、芸能事務所等に所属しないフリーランスと制作 会社等との間で締結される場合、又は、芸能事務所等に所属している俳優でも、それらを介さずに直接制作会社等と締結される場合や、芸能事務所であっても代表者自身が出演する俳優であり、他に役員や従業員がいない法人と制作会社とで締結される場合を想定したものです。基本的には、文化庁が令和4年7月に公表し令和6年10月に改訂した「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン(検討のまとめ)」の別添ひな型例に準拠した上で、一般社団法人日本映画制作適正化機構が公表している「映画制作の持続的な発展に向けた取引ガイドライン(映適取引ガイドライン)」や韓国映画界で使われている標準契約書等を参考とするほか、映画制作業界における慣行を反映させたものです。
ガイドブック
この冊子では、まず「なぜ適正な契約関係が必要なのか」、契約の基礎を解説します。そして、フリーランス法の注意点、著作権に関する考え方、契約書ひな型例の使い方を確認します。そして、文化庁ガイドラインの考え方に基づき、作成した3種類の「契約書ひな型例」を解説していきます。最後に日本以外の事例として、韓国とフランス各映画業界における契約面の取組を紹介します。契約書ひな型例のうち、重要な事項については動画でも解説しています。
解説動画
契約に関する基礎知識の解説と契約書ひな型例のうち重要な事項について、解説しています。
講師永井靖人
弁護士 波千鳥法律事務所 代表弁護士
早稲田大学第一文学部卒業、早稲田大学法務研究科修了。2015年弁護士登録及び早稲田リーガルコモンズ法律事務所入所。2019年波千鳥法律事務所を開設、同代表。現在まで、顧問先を中心とした契約書作成や法律助言業務を行うほか、紛争や訴訟対応に取り組む。また、弁護士登録時から、芸術・文化・創造的な活動への支援プログラムを企画運営する非営利任意団体Arts&Lawに参加。知的財産権に関するセミナーや講演・講義、相談会を実施している。
- 文化庁(令和6年度「芸術家等実務研修会」)
- 事務局・企画・運営:一般社団法人Japanese Film Project(担当:歌川・上原・大塚)
- 協力:一般社団法人日本映像職能連合<(協)日本映画監督協会、(協)日本映画撮影監督協会、(協)日本映画・テレビ照明協会、(協)日本映画・テレビ録音協会、(協)日本映画・テレビ美術監督協会、(協)日本映画・テレビ編集協会、(協)日本映画・テレビスクリプター協会、(協)日本シナリオ作家協会、日本映画装飾協会>、日本映画大学
- 監修:長澤哲也(弁護士・弁護士法人大江橋法律事務所 パートナー弁護士)、永井靖人(弁護士・波千鳥法律事務所 代表弁護士)
- 有識者:神林龍(労働経済学者 / 武蔵大学経済学部教授)
- イラスト:クラーク志織
- 全体デザイン:鈴木規子
- 韓国リサーチ:大塚大輔
- フランスリサーチ:林瑞絵
- 広報担当:ISO